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三島風穴の補強工事後の入洞調査報告(1)

1 補強工事後入洞調査の実施日時
  平成24年10月21日(日)午前8:30〜午後3:30

2 入洞調査実施時に確認された事項

1)洞内の補強工事後の一般状況と新たな発見;
  ―洞窟内は埋立て工事部分を除いて、2010年2月の工事前調査以降新たな崩壊はない(写真プレート1参照)。
―洞窟内温度の最高点 、洞口(井戸)下が18℃、滝・せせらぎ付近が16℃。
―2010年2月の工事前調査時は水の流れなどは無かったが、今回の調査で滝がせせらぎとなり東側の独立空洞部方向へ流れ込んでいるのを確認した。(写真プレート2参照)

―洞窟内の空気は埋め立てにより密閉されていたので心配したが、水の流れもあることから思っていたより良好であった。
―新たに残された洞窟内で階層洞窟部分や南側最奥部で短いがワラビ状溶岩鍾乳を確認した。その他 洞内表面に析出した緑色の鉱物が健在であることも確認した(写真プレート3参照)。

2)早稲田支洞窟へのアクセス性;
 埋め立て部分は、いただいた図面より多く埋められていることが確認された。
壁の剥離が筒状になったものが火山洞窟として貴重な遺産等や溶岩石筍がある早稲田支洞への狭い入口は、モルタルが流入し塞がれているためアクセスが不可能になっている。(写真プレート4参照)

3)Aタイプの溶岩棚へのアクセス性;
 駐輪場側の独立した空間に存在するAタイプの溶岩棚へのアクセス性が失われている。
貴重なAタイプの溶岩棚(写真プレート5参照)へのアクセス性はAタイプの溶岩棚の観察のために必要である。

4)洞窟内部のモルタルの溶け出し;
 水流によりモルタルが溶け出し鍾乳石のようになっているのが観察されているので(写真プレート6参照)、洞窟内の工事影響による時間的な変化(経年変化)を見る必要があり、必要があればその対策の検討も必要である。

5)洞内表面に析出した緑色の鉱物;
 洞内表面に析出した緑色の鉱物については補強工事の影響を受けておらずに顕在している。至急詳細な調査分析が必要である(写真プレート7参照)。

【写真 プレート1】 残された南側主洞を調査するメンバー
南側最奥部へ向う
【写真 プレート2】 2010年2月6日工事前撮影 水の流れは無い
今回の調査で発砲の間から水流
滝・せせらぎとなり
水流は東側の独立した空洞へ流れこんでいるようだ
【写真 プレート3】 階層洞窟部分
洞窟内に析出した緑色の鉱物
ワラビ状溶岩鍾乳
【写真 プレート4】 モルタルで塞がれた早稲田支洞へのルート
2010年2月6日撮影 早稲田支洞(壁の剥離が筒状になったものが火山洞窟として貴重な遺産)
2010年2月6日撮影 早稲田支洞(貴重な溶岩石筍)
【写真 プレート5】 貴重なAタイプの溶岩棚 2010年2月6日撮影
Aタイプの溶岩棚 2010年2月6日撮影
【写真 プレート6】 水の流れによって溶け出し 鍾乳石のようになっていた
【写真 プレート7】  析出した緑色の鉱物
この情報は、「NPO法人 火山洞窟学会」により登録されました
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